ぽよろぐ

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【育児】新生児からイヤイヤ期までの発達の流れまとめ

child lifting water dipper

うちの子供が8ヶ月になりました。はいはいをし始めてから、家の中を探索しまくっています。笑顔も増えて、一緒に遊ぶのもとても楽しい。

ただ、漫然と子供の成長を見ていても、全部「なんとなく」になってしまいます。ハイハイをする子供をなんとなく「可愛い」といい、なんとなく必要そうなおもちゃを買い与えてみちゃう。

そうではなく、子供がどう成長するのかを解像度高く理解して、ちゃんと子供に対応したい。その上で、発達段階に応じた適切なおもちゃを買い与えたり、大変と言われるイヤイヤ期にもちゃんと対応したい。

今回は記事を3部に分けました。

第1部となる本記事では、発達心理学の教科書を参考に、2歳ころまでの子供の一般的な成長のまとめを紹介します。第2部では、おもちゃが子供に対して果たす役割についてまとめます。第3部では、古今東西愛されてきた王道のおもちゃをまとめます。

いきなりですが結論です。こちらが、乳幼児の発達をまとめた図です。

こちらの図は、こちらの教科書を参考にして作成しました。 

ベーシック発達心理学

ベーシック発達心理学

 

教科書では、図中の横軸に示す、発達の種類(感覚と運動、愛着、自己と感情、認知、言語、社会性と道徳性)に合わせて章が分けられています。図はそれを横串でまとめたものになります。

以降では、それぞれの年齢の発達段階の特徴をまとめます。

新生児から生後6ヶ月まで

感覚と運動
  • 聴覚は新生児から大人並みに発達しています。
  • 視覚は産まれたときは0.01くらい、生後半年でも0.1くらい。その後7歳くらいまでかけて大人並みに発達します。最初は立体視ができておらず、距離感の把握はできていませんが、徐々についてきます。
  • 6ヶ月ころでようやくおすわりができるようになります。まだ自分で動くことはできなません。
認知
  • 生後半年から1歳くらいにかけて、対象の永続性、同一性、知覚の恒常性を理解します。
  • 対象の永続性の理解とは、例えば子供が興味を持ったおもちゃをハンカチで隠しても、そのおもちゃがハンカチの裏にあるということを理解している、ということ。ちなみに生後8ヶ月のうちの子は、まだこれを理解していません。
  • 対象の同一性の理解とは、別の場面で同じものを見て、それが同じものだと認識できること。知覚の恒常性とは、同じものでも見る角度や距離が変わっても同じものだと認識すること。
  • この時点で発達する子供の認知としては、他にも2つ以上のおもちゃを把握してうまく遊べるか、重力など基本的なモノの動き方を理解しているか、などがあります。
言語
  • 「あー」「うー」という母音の発声はクーイングといいます。その後徐々に子音を覚えていき、言葉っぽいものを発するようになります。この段階ではジャーゴンと言って、言葉に意味はありません。意味はないけれど、ジャーゴンを使って大人とコミュニケーションは取れます。
  • なお前述の通り聴力は大人並みにあるため、大人の言葉はよく聞いています。ただし言語の獲得には、語りかけと同時に、対象となるモノに触れる、などの、保育者の働きかけが必要です。言語はラジオから聞いているだけでは使えるようにならず、対象や身体動作と合わさって初めて意味を成すからです。

生後6ヶ月から1歳まで

社会性
  • 9ヶ月頃に、その世界では「9ヶ月の奇跡」と呼ばれる社会性の革命が起きます。これは、親の表情を見てそのおもちゃを触っていいか判断する、というように、それまで「自分」と「対象」の2項関係の中のみで生きていた子供が、第三者を参照して自分の行動を決めるようになること。
感覚と運動
  • はいはいで部屋の中を動き回るようになります(探索の開始)。
  • 歩いたり物を投げたりと、様々な動作を身に着けていきます。大きな流れは、物を掴んだり投げたりといった大きな動作(粗動)から、道具を使うような細かい動作(微細動作)の順で身につけます。特に、箸を使う、といった微動は、あまり小さいうちに身に着けても忘れてしまうことが確かめられています。
言語
  • 1歳頃に初めて言葉を発し、半年くらいかけて50単語というゆっくりしたペースで発達します。その後、2歳前後で一気に語彙が増えるタイミングが来ます。

2歳から3歳まで

2歳を「イヤイヤ期」というのは聞いていましたが、それは2歳で子供が様々な局面において同時に発達する局面を迎えるためだ、ということが理解できました。順に説明します。

運動
  • 歩く、走るといった基本的動作ができるようになり、とにかく動き回ります。
自己と感情と言語
  • 2歳前後で語彙爆発と呼ばれる一気に語彙が増える時期を迎えます。以下に示す自己主張の高まりと合わさって、最初は「あれとって」「パパ座って」という、主に命令文から発達していきます。
  • これまでは喜び、怒り、不安などの基本的感情しかありませんでしたが、2歳をすぎると照れ、羨みなどの複雑な感情(二次的感情)が出てきます。これは、それまで自分基準で生きていた子供が、他者と自分を比較することができるようになった表れでもあります。
  • 自己主張が始まるようになり、突如親からすると扱いづらい存在になるように感じられます。これを第一次反抗期と呼んだりもします。自己主張とは、「自己制御」と呼ばれる、自分で色々なことができるようになる能力の一部と位置づけられます。ちなみに自己制御は自己主張自己抑制の2種類からなります。自己主張は、2歳前後で出てきたあとは、3~4歳にかけて急激に発達し、その後あまり変化しないとされています。対して自己抑制は、3歳から6歳までの間に徐々に発達します。激しい自己主張は、自己抑制の発達に応じてあとから収まっていく、と心得ましょう。
  • 総じて2歳とは、それまで親にすべて面倒を見てもらっていた乳児期が終わり、自律性を獲得する重要な年齢です。過剰に親から怒られたりして、自律性の獲得に失敗すると、恥や自分に対する疑惑に満ちた人になる可能性もあります。自己主張が始まったからといって押さえつけるのではなく、年齢に応じて自然に自分の主張をコントロールできるようになる、ということを理解した対応が重要になります。

まとめ

発達心理学の教科書に基づいて、新生児から2歳児までの発達の特徴を俯瞰しました。2歳になるまでは、単純にできることが増えていく、見ているだけで可愛いフェーズです。一方で2歳は、単に自己主張が強くなるだけでなく、自律性を獲得する、内面の成長における重要な時期です。

この知見をどう活かせるかというと、子供に無理を強いなくてもよくなります。

ボールを上手く扱えない子供に対し、「箸がうまく使えない」と悩むのは、微動より粗動を先に覚えるという発達段階をわかっていれば無駄です。また自己主張が強くなった子供を押さえつけるように育てると、長期的に見てより手がかかる子供になる可能性もあります。

それぞれの子の発達に応じて賢く子育てをすることで、楽しくご機嫌に乗り切っていきたいものですね。

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