ドルチェグストを買って、やはり気になるのがカプセルの仕組みです。
カプセルを分解して、その構造がわかったので、仕組みを解説します。またこの記事では、「好きなコーヒー豆を使って、カプセルを自作できるのか?」についても答えを出しています。
カプセルの分解ブログは他にも上がっていますが、正しい解説をしているものは見受けられなかったので、こちらを参照ください。
カプセルの構造と各パーツの役割
はじめに実際のカプセルの分解の様子と、そこからわかるカプセルの構造をまとめます。
こちら使用済みのカプセルです。カプセルのフタに、ドルチェグストのマシン本体についている針穴で、穴が開けられているのがわかります。針穴からはカプセルに熱湯が注入されます。
フタの役割は、コーヒー豆を酸化から守ることと、加圧の際に圧力をカプセル内に閉じ込めることです。
ついでフタを取り去った様子です。
透明なフィルムが見えます。正式には「ソフトディストリビューター」というらしいですが、ここでは「透明フィルム」と称します。
透明フィルムについてわかるのは次の2点です。
- 小さな穴が全面に開いている。つまり何かからコーヒー豆を守るためではない。
- マシンの針穴はこのフィルムには到達していない。つまり熱湯はコーヒー豆に直接注入されるのではなく、透明フィルムの上から注入される。
- 透明フィルムは水を通さない。
以上のことからこの透明フィルムの役割は、コーヒー豆の全体にまんべんなく熱湯を注ぐことだとわかります。
次に透明フィルムと、その下のコーヒー豆を取り去ります。すると穴の空いたアルミフィルムと、更にその下にプラスチック製の剣山のようなパーツが見えます。
最後にアルミフィルムも剥がし、剣山も取り去ります。
よく見ると、アルミフィルムの穴は剣山の突起と合致していることから、アルミフィルムが剣山に押し付けられることによって、アルミフィルムに穴が開くのだとわかります。
つまりアルミフィルムはもともと穴が空いておらず、コーヒー豆を密閉しています。熱湯が注入され、カプセル内の圧力があるレベルまで加圧されることで、アルミフィルムが剣山に押し付けられて穴が空き、エスプレッソが抽出されます。
別の方のブログに、新品のカプセルを分解した様子が載っています。それによると、やはり新品のアルミフィルムは穴が空いておらず、コーヒー豆を守っているようです。
カプセル構造の図解
はじめに、カプセル内のコーヒー豆は、フタとアルミフィルムによって密閉されています。
カプセルをガシャンとマシンにセットすると、針がカプセルの蓋を貫通します。ボタンを押して抽出を開始すると、その針からカプセル内に熱湯が注入されます(①)。カプセル内に入った熱湯は、透明フィルムに開いている小さい穴を通じて、コーヒー豆全体にまんべんなく注がれます。そして勢いよく注入される熱湯により、アルミフィルムとフタの間の空間が加圧されます(②)。
ある程度カプセル内の圧力が高まると、アルミフィルムが膨らみ、カプセル底面の剣山に押し付けられます。これによってアルミフィルムに穴が空き、エスプレッソが抽出口を介してコーヒーカップに注がれます。
ドルチェグストは15気圧が売りなので、ちょうどそのくらいの圧力でアルミフィルムに穴が開くような調整が、商品開発のミソなのでしょう。
またこの構造だと、アルミフィルムに開いた穴を介して、コーヒー豆が流れ出さないのも不思議です。コーヒーは剣山周囲の絶妙な隙間から流れ出すので、これもネスレの工夫のたまものなのでしょう。
ドルチェグストのカプセルは自作できるのか?
ドルチェグストを使用していると、好きな豆を詰め替え用カプセルに詰めて、よりコスパよく美味しいコーヒーを楽しもう、という誘惑にとらわれます。詰め替え用カプセルとは、カプセルの皮だけ売っているこういうやつです。
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ところがいくつか種類のあるこれらの再利用カプセルのレビューを読んでも、満足している人の声はほとんどありません。
結論から言うと、これらの詰替え用カプセルを使って、オリジナルと同等のエスプレッソを淹れることは不可能です。
先に解説したとおり、ドルチェグストの加圧のミソは、いい加減の圧力に達した点で、アルミフィルムに穴が空けられることです。再利用カプセルは、いずれも最初から底面がスカスカになっているので、淹れてもただのドリップコーヒーになるだけです。そしてドリップコーヒーなら普通に入れたほうがはるかに楽だし美味しいでしょう。
まとめ
ドルチェグストのカプセルはオリジナルの使い捨てを買いましょう。そしていい感じの加圧を感謝しながら、濃厚なエスプレッソを味わいましょう。
美味しくカプチーノを入れる方法はこちらにまとめました。合わせてどうぞ。