「一般会計予算が過去最大の100兆円を突破」とニュースになっている今日このごろ。
「日本の国家予算が100兆円かぁ、すごい額だなぁ」と思いたくなるが、「国家予算が100兆円」というのは誤り。
「一般会計」というのが曲者で、これは全体の国家予算の1/3でしかない。残りの2/3は「特別会計」と呼ばれ、国会で祭り上げられることなくひっそりと淡々と執行されている。
「日本の国家予算」を正確に知りたい場合、一般会計と特別会計間のオーバーラップを適切に処理した「純計」という値で知る必要がある。
財務省の統計の中に、「第18表 日本の主要経費別純計」があったのでグラフにしてみた。
純計の推移
まず、全体推移とその内訳。
すなわち「日本の国家予算は?」と聞かれたら「350兆円前後」が答え。
平成30年度の歳出内訳
全体の予算約340兆円のうち、国債の返済が191兆円で大半を占める。
ただし「国家予算の実質的な使い方」を知りたい場合、借金の返済額を除いた出費約150兆円の内訳を知りたいので、国債費を除くと次のグラフを得る。
もういっちょ、各費用ごとの推移も参考までに示しておきます。
このへんでようやく国家予算の姿が見えてくる。
社会保障関係費が実質的な出費の6割を占め、予算額も単調増加をたどる。
公共事業は2011年を底値に反転し、2013年辺りで高止まっている。震災復興経費なのか、安倍政権の余波なのかは知らない。
防衛関係費と文教および科学予算は拮抗しているが、このまま行けば防衛関係費が追い抜くかもしれない。
その他の予算額はここ10年ほどはほぼ一定といえる。