ぽよろぐ

30代父の書く、育児のこと、お金のこと、仕事のこと。

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ミーティングガイドライン

組織の生産性向上の要は、イケてる施策を打ちまくる…のではなく、不要な行為を極力減らし、生産的な時間を最大化することだ。

無駄な時間を減らす際、良質なコミュニケーションが取れる環境を整えることは、不毛な時間を減らすことと、良いコミュニケーションは良い発想につながることから、生産性が倍増することが期待される。

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手前味噌な話になって恐縮だが、弊社にはより効果的なコミュニケーションの取り方を定義した「コミュニケーションガイドラインと、その中でも大きなウェイトを占める会議のやり方を定義した「ミーティングガイドラインが制定されている。いずれも弊社のスーパーエンジニアが、前職のGoogle時代の働き方に基づいて定めたものだ。

前回のコミュニケーションガイドラインに引き続き、今回はミーティングガイドラインの要旨を紹介する。なお本文は英語だがGithubで公開されている。

github.com

ミーティングガイドライン要約

このガイドラインの基本的な態度は、ミーティングの開催それ自体は、生産性の観点から考えるとマイナスの価値しか持たないということだ。問題はどうやって効率を最大化し、プラスの価値を生み出すか、だ。このガイドラインはそのための基本的方針を示す。

前提として、このガイドラインは、メンバー全員が事前にこのガイドラインを共有可能な、社内会議を念頭に置いている。もちろん、社外的な会議にもこの姿勢を持ち込むことが重要なのは言うまでもない。

会議前の準備

  • 前提として、会議はGoogle calendarを用いて招集される。会議の開催通知はGoogle calendarの機能を用いて行われ、別の仰々しい開催通知は不要である。
  • ミーティングの基本時間は30分である。大体において、1時間のミーティングは30分の会議と同じ成果物しか出さず、30分の余計な時間を消費するだけである。
  • ミーティングの参加者の規模も必要最小限とすること。多くの人が参加するほど、何の成果も生み出さない会議になる可能性が上がる。大勢と議論をするためには、議論内容をまとめたドキュメントをコメント形式でレビューするほうが効果的である。
  • すべてのミーティングは議事録を取ること。すべての議事録は、ドライブ内の特定のフォルダに保存されていること。
  • 事前にアジェンダを記載した議事録を用意し、カレンダー上のイベントに添付しておくこと。定例会の際には、毎回議論するアジェンダを書いた議事録の骨子を用意しておくこと。
  • 複雑な議論については、できれば2~3日前に背景をまとめた資料を参加者に展開しておくこと。またいわゆる根回しとして、対面で必要な情報を共有しておくこと。なおこの際共有する資料は、スライド形式よりドキュメント形式が推奨される。スライド形式は情報量に乏しい。
  • 不要だと思ったミーティングを、招待された人が拒否することもできる。その際、招待に対しては明確に拒否を示し、招待者に一言添えるのが望ましい。
  • 誰かがNo meeting dayを設定することも問題ない。その場合、該当者はカレンダーでその意図を公開し、招待者はなるべくその時間帯を避ける。

会議中

  • 前提として、会議はGoogle hangoutが接続されたディスプレイ付きの部屋で行われるのが望ましい。これはリモートからの参加や、議事録の表示に使われる。
  • 議事録を取る人を事前に決めておく。議事録を取る人は議論の間、Hangout経由でディスプレイにリアルタイムに更新される議事録を表示させる。
  • もしディスカッションの話題が本題から逸れ、生産性を失ったら、主催者は適切な時間(例えば2分)の後その話を打ち切り、そのトピックについての別のミーティングを設定すること。
  • 会議は定刻どおりに始まる。もし会議の開催時間になっても、同じ会議室で前の会議が押していた場合、ノックをして前の会議の参加者を追い出すことは推奨される
  • 次の会議を時刻どおりに開始するため、会議は予定時刻の2分前に終わること。

会議後

社外的な会議

  • 社外的なミーティングについても、議事録の作成や時刻通りの進行等、基本的なルールは踏襲される。
  • Google hangoutを含めた開催通知は社外ミーティングでも共有されるべきである。会議室のHDMIケーブルを差し替えるような野蛮な行為はなるべく避ける。我々は一歩進んだ会議のやり方の模範となるべきである。

運用上の気付き

以降は私がこのミーティングガイドラインに沿って業務をしている上での気づきです。

  • 模範的な行動が明文化されていることで、余計な忖度がなくなり、とてもやりやすい。特に、「予定時刻を超過した会議は、会議室から追い出すことが推奨される」「不要なミーティングは拒否できる」「脱線したら打ち切るのが良い」など、一般的なマナーからしてネガティブだとされていることを明文化したくだりは、シャイな日本人を念頭に置いて書かれたとのこと。
  • リアルタイムで議事録が作成されていくのは議論がとてもスムーズに進む。ちなみに弊社ではすべての議論/notetakingは英語で行われる。最初は議事録まとめるのにすげー時間がかかっていたが、少なくとも意思決定を目的としたミーティングであれば、事前にきちんとアジェンダを記載しておけば、出た意見の要点だけまとめればいいのでだいぶ早くなった。
  • これは余談だが、全ての重要な議論に議事録が作られる環境で働いていると、なぜ旧社会主義国で「書記長」が最大の権力者だったのかよくわかる。